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資金繰り表を作成した方がいい理由〈後編〉

みなさん、こんにちは。

前編に引き続き、「資金繰り表」についての後編をお伝えさせていただければと思います。

2.資金繰り表の作成が大切な理由

では、具体的な資金繰り表の話に入っていく前に、なぜ、資金繰り表の作成が大切なのか、説明します。

みなさんは、黒字倒産って言葉聞かれたことありますでしょうか?

これは、利益がでているにもかかわらず、倒産してしまうことを言います。

「そんなことありえるの?」ってなりますが、件数は少ないにしても、実際にあります。

なぜかといえば、利益はでているんだけど、現預金(資金)がなくなってしまって、お金が払えないということがありえるからです。

どんなケースかといえば、少し極端な例でお示ししますと、

手元に現金が30万円あって、100万円の売上を計上することができたとします。

ただし、その100万円の入金は2ヶ月後であって、その前に仕入代金の50万円を今月中に仕入業者に払わないといけないとします。

このケース、利益は50万円を計上できているのですが、資金的には今月に20万円足りていないことになります。

おまけに銀行はお金を貸してくれないとなって、どうしようもなくなった結果、倒産という道を選ばざるを得ないことになります。

数値的にあまり現実的な例ではありませんが、イメージとしてはこういう状態のことを意味します。

なので、ここで言いたいこととしましては、
いかに利益が計上できる事業計画を作れて、それ通りに実績がついてきていたとしても、

資金もきちんと回ることになるのかというチェックが必要になるわけです。

で、今回のコロナの影響を受けて、融資を受けられた方からしますと、

将来に必ず借入金の返済という支出がありますが、この支出は経費ではありませんので、

利益がでる計画を作られたとしても、お金がきちんと回るのかということも合わせて考えないといけない訳なんですね。

つまり、利益の計画だけではなくて、資金繰りもきっちりみてくださいねということです。

3.資金繰り表を作るポイント

では、資金繰り表を検討し、作成していくにあたってポイントになるところをお伝えします

一つは、前述の通り、借入金の返済スケジュールをしっかりと認識するということ。

例え利益がでていたとしても、借入金を返済できるくらい余裕のある利益の金額になっていないと、資金不足に陥ってしまう可能性が高まります。

そのため、コロナが収束して、また売上が回復する計画(事業計画)を作成されたとしても、

十分に借入金の返済ができる資金はその時に存在しているのか、という観点で検討いただく必要があります。

特に、据置期間を数年間設定された経営者は、いざ返済期間が始まると、結構な金額を毎月返済していくことになるはずですので、そのためにどれだけ売上や利益を計上できる仕組みを構築できているかがものすごく重要になってきます。

そして、更にいいますと、年間単位での資金繰り表ではなく、最低でも月次での資金繰り表を作成する必要があるということです。

おそらく、借入金の返済に関しては、毎月返済されていかれると思います。

年間単位で見た時に、返済できる計画になっていたとしても、

月次単位で見てみると、年の始めの方の売上金額が低いので、借入金の返済ができないというケースも想定されてしまうからです。

なので、よほどの資金に余裕があるケースでなかったとしたら場合には、必ず、月次単位で資金繰り表は作っていただきたいと思います。

まー、資金に余裕がある会社であれば、通常は資金繰りで困らないとは思いますが、
何か新しい事業を、展開されようとしたときは要注意です。

私のお客さんでも、既存の業務は安定してうまくいっていたのですが、新規事業を開始されて、それがうまくいかず、たちまち資金繰りに追われる毎日を過ごされていらっしゃいます。

そんなケースもありますので、資金繰り表を作成することはとても大切になってきます。

4.まとめ

今回は資金繰り表の概要的な部分をお伝えしました。

少しその大切さを理解いただいてもらいたいと思いますし、
実質的に資金繰りのところを十分に検討されていらっしゃるようであれば、あとは計画と実績との比較を中心に毎月定期的にモニタリングされるといいかと思います。

次回は、少し資金繰り表の作り方について、お伝えしていこうと思います。

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